前回その1より続き
原作『ガリヴァー旅行記』は痛烈な「風刺小説」だった!
原作を読むと、子ども向けの楽しい空想冒険譚だけではない、複雑怪奇なガリバーの世界が広がっていました。
以下、私の感想。
一、『ガリヴァー旅行記』には正式な題名、なるものがある
『船医から始まり後に複数の船の船長となったレミュエル・ガリヴァーによる、世界の諸僻地への旅行記四篇』
(”Travels into Several Remote Nations of the World, in Four Parts. By Lemuel Gulliver, First a Surgeon, and then a Captain of several Ships”)
…長っ!!そして説明的!!!
内容の感想ではなく、タイトルの感想(笑)。
そもそも正式な題名ってなによ!?って感じですが。
約280年前に発表された作品なんですね。
書いたのは18世紀アイルランドの作家、ジョナサン・スウィフト。
二、原作のガリバーさんって…
性格、悪っ!!!(あくまで個人的な意見です、念のため)
さまざまな出版社からガリバー本は出ているのですが、挿し絵のガリバーは千差万別。
子ども向けの本では若いイケメン風に描かれたものも多いですが…
やさしそうな外見にだまされちゃだめだ(笑)!
「風刺小説」の主人公(語り手?)ですからね、一筋縄ではいかない人物に描かれています。
じゃあ読んでみようかな、という方のために詳しい内容は伏せておきますが、
原作を読んでわたしたちの「GULLIVERガリバー」を観ていただくと、
より深く舞台を楽しんでいただけるかもしれません♪
あ、もちろん、子どものころ絵本なら読んだよ、という方や、
どんな話かぼんやり知っているだけ、という方にも
楽しんでいただける作品になっています(た、たぶん)。
旅するガリヴァーを主人公(語り手)にした、批判精神に富んだ18世紀の風刺小説をもとに、まつもと演劇工場はどんな演劇作品を作るのか。
…どうぞご期待ください☆
ちなみに、原作はかなり長い物語なので読むのはけっこうたいへん。わたしのおススメは大型絵本『ヴィジュアル版 ガリヴァー旅行記』(クリス・リデル絵/原田範行訳/岩波書店)。いわゆるリライト版・ダイジェスト版で、絵本の体裁ですが大人向け。ただし絵本と思って気楽に手に取ると文字の多さに驚くかも。でも原作のエッセンスがギュッと詰まっていますよ~。
ヴィジュアル版 ガリヴァー旅行記 (amazonへリンクします)
(ちあり)