まつもと演劇工場

ケンジ制作記6 (オカイハヅキ)

5年前に愛知県豊橋市から松本市新村の実家に移住した岡井葉月です。
直工場長が言っていた、「演劇というものに対し自分は戦う気持ちで接していた」という言葉に感じたことから思ったことですが、戦争に負けて自由主義が社会に入ってきた頃、体制に従うか反抗するかという社会的現象が色濃くあったのではないかと思います。
その後、経済が発展してバブルからバブル終焉。迷いながらも大国としてアメリカ保護の下に平和を受容し続けていることに慣れてしまい社会を肯定する意識が自分も含め強いのではないかなと思います。中東や欧州のようにテロがすぐそばにある国でなくてよかったと思っているし、日常は今のままで続いて欲しいというような気分的なものの大きさ。
トランプ大統領のせいで怖い社会になりつつあるし、また、戦う時代がくるかもしれないけれど、賢治のように土や鉱物や電信柱に心を傾けるひだを年齢を重ねても忘れないで磨けたらな。賢治のような優しさと思いやりを大切に出来ればと出来ない自分を嘆きつつ思う。自己表現は色々あると思うけれど、映画とか舞台は全ての要素、詩や小説、エッセイのような言葉。歌、衣装、音楽、体操、機械、道具作り。本当に心底から総合芸術だと思う。まさにまつもと市民芸術館。
みんなで一体となって作り上げていく作業には計り知れない醍醐味が潜んでいるから、演劇に足を踏み入れた人は、その麻薬のような何かに飲み込まれてしまう気がする。そんなことを感じる昨今、今は有終の美を飾りたい、そんな気持ちでやっています。

追伸
今まであまり、宮沢賢治の事を知らない私でした。今回、賢治は優しいだけではなく金銭的にも恵まれた環境であるにも関わらず、それに甘んずることなく戦った人だと思う。農民が知識を持ち豊に暮らすために挑戦した人なのだと思う。動物、植物、静物にまで命を感じ真剣に追求した人だと思う。自分の存在を無にして全ての命に向かい合い戦った人なのだと演劇工場のW・Sで学びました。参加していることに意義を感じています。

オカイハヅキ


まつもと演劇工場メンバーによる「ケンジ制作記」です。
ケンジ旅行記についての詳細は「公演情報」ページをご参照ください。

まつもと演劇工場5期生・作品『ケンジ旅行記ー道々の劇場ー』

2017年1月23日
モバイルバージョンを終了